2021年10月、当時74歳の田村マキさんが都内のスギ薬局で処方された薬を飲んだあとに意識不明となり、半年後に死亡しました。
死因は心不全ですが、原因は低血糖脳症だと判明しています。
誤って調剤された薬を服用したことで母親が亡くなったとして、家族がスギ薬局などに3850万円の損害賠償を求める裁判を起こしたことが注目されています。
スギ薬局の調剤ミスはなぜ起きたのか?原因やどこの店舗なのか、スギ薬局側の対応などを調査しました。
スギ薬局の調剤ミスはなぜ起きた?原因は?
スギ薬局は、複数の薬を1つのパックにする自動錠剤分包機を使っていました。
亡くなった田村さんの前の患者の薬が残った状態で分包したため、田村さんの薬の中に糖尿病の薬が混入してしまったと説明しています。
本来田村さんの薬は2.5錠のはずが、2錠多い4.5錠の薬が入っていました。
田村さんは糖尿病ではないのに、誤って血糖値を下げる薬が混入してしまい、それを飲んだ田村さんが低血糖を起こし、意識不明となりました。
残っていた薬を病院が調べてスギ薬局に指摘をしたところ、スギ薬局の分包機の点検を薬剤師が怠ったことが原因だと説明しています。
スギ薬局の調剤ミスをした店舗は?
亡くなった田村さんは東京都在住で、持病の薬の調剤を東京都杉並区のスギ薬局へ依頼したことがわかっています。
杉並区のスギ薬局を調査すると9店舗ありますが、調剤ミスをした店舗はスギ薬局高井戸店の可能性が高いことがわかりました。
スギ薬局高井戸店の評価はグーグルでは星5個中2.9となっており、良くもなく悪くもない印象です。
しかし、一部調剤に関してのコメントでは、待ち時間が長すぎる事や薬が当日受け取れなくて後日になったなどの不満のコメントがありました。
スギ薬局側の対応は?
スギ薬局を展開する「スギホールディングス」は、「亡くなられた患者様のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、患者様のご家族様には深くお詫び申し上げます」とコメントしています。
そして「調剤過誤の発生以降、速やかに全店に指導を徹底してきました。引き続き再発防止に向けて取り組んでまいります」としています。
スギ薬局側は、調剤ミスがあった事実を認めて謝罪していますが、調剤ミスと田村さんが死亡した因果関係があったかは明らかにしていません。
田村さんの家族はスギ薬局側が事件の公表に難色を示し続けていることから、提訴に至ったようです。
田村マキさんが亡くなって2年経過していますが、家族はその間もスギ薬局側と戦っていたのですね。
このニュースが公にならなければ、私たちはこのような事実があったということを知らないまま過ごしていました。
スギ薬局薬剤師の点検ミス?
スギ薬局側は調剤ミスに対して分包機の点検を薬剤師が怠ったことが原因だと説明しています。
しかし、分包機の点検ミスではなく、明らかに薬剤師の監査ミスであることがわかります。
現在スギ薬局で分包機で一包化(下のイラストのように複数の薬をひとまとめ)にしてもらった薬は、透明のフィルムに入っており、中身が見える状態になっています。
当然、薬剤師は調剤した薬の監査を行うはずですので、フィルムが透明であれば薬の錠数が多かったり、違う薬が混入していることも気づくはずです。
Xでは同業者の方と思われる薬剤師の方からの投稿がありましたが、やはりこの調剤ミスは疑問のようですね。
亡くなられた田村さんも薬局で処方された薬なので、錠数が多くても疑問に思わず薬を飲んでしまったのでしょう。
筆者の家族も毎月、スギ薬局で調剤してもらった糖尿病の薬を一包化にしてもらい毎日飲んでいます。
もし、いつも飲んでいる糖尿病薬に違う薬が混入していて、家族の容態が急変したら・・・と考えると、とても怖いです。
まとめ
今回はスギ薬局の調剤ミスの事件についてまとめました。
現在スギ薬局は愛知県を中心に全国展開している大手のドラックストアとなっています。
以前からスギ薬局はクーポンの配布や割引などで集客に力を入れていますが、このニュースをきっかけに株価は下落しており、企業イメージも下がる一方ですね。
筆者の家族のようにスギ薬局で薬の調剤してもらっている方も沢山いる中で、今回のニュースでスギ薬局に対して、不安に思った方もいると思います。
これからこの提訴がどうなっていくのか注目していきたいと思います。
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